桃源郷はまだ遠い

人生の午後を自分らしく下るまでの記録

9/29(日)イタリアの工業地帯での平和な1日

(おいおい、一体どこに連れて行く気や…)

タクシーは高速道路を降りると、枯れたトウモロコシがぼうぼうと生えわたる畑を横切り、工業地帯のような所に入って行く。

(ほんまにここ、ミラノなんか⁈)

以前、ミラノを訪れた時に見た、石造りの美しい建物も、路面電車も、おしゃれなカフェも何もない。あるのは、バカでかいスーパとどこかの会社の工場のようなものだけ。

そんな辺鄙な場所で、私はタクシーを下ろされた。

今回は便宜上、後からイタリア入りする夫と同じホテルに滞在することになっていた。引っ越しするまで夫が月1回の出張中に使っているホテルで、田舎にあるとは聞いていたが、ここまでとは…。

しかし、幸いにも、ブダペストからの移動で疲れた私には、この田舎がよかった。周りに見るべきものは何ひとつないので、ゆっくり過ごして疲れを取ることができた。

朝はホテルで洗濯をして、昼過ぎに近くの地元住民御用達のレストランへパスタを食べに行った。

私のシーフードパスタが運ばれてきた時、ムール貝とパセリのいい香りがふわっと漂って、食欲をそそった。

薄味のトマトソースなのだが、とてもおいしい。自家製麺だという麺は、パスタというより、うどんに近い太麺。もっちりしている。

レストランで、3歳くらいの男の子を見た時に、イタリア人は小さい頃から、こんなおいしいものばかり食べて…と羨ましくなってしまった。

ホテルで昼寝をしたら、夕方はスーパーで買い物だ。

大型スーパーなので、色々売っていて、見るのが楽しい。ワインコーナーへ行くと、見たことのない種類のワインが並んでいるではないか。値段も、1ユーロから45ユーロくらいのものまで幅が広く、一体どれを買えばいいのかわからない。

とりあえず、1ユーロの紙パックの赤ワインを買ってみる。

言語のわからない国での買い物は大変だ。ボディクリームを買いたくても、イタリア語しかなくてわからない。あやうく、間違ってコンディショナーを買うところだった。

量り売りの惣菜を買おうにも、システムがわからない。店員さんに英語で

「すみません、どうやって買ったらいいですか?」

と聞いたら、英語で、欲しいものをパックによそいますから、教えてくださいと親切に対応してくれた。

ルフレジもイタリア語しかなく、勘で操作していたら、途中で何回か画面が何を言ってるのかわからず、先に進めない。

「ん〜〜⁈」

などと日本語で唸っていたら、後ろに並んでいたお姉さんが何回も助けてくれた。

「時間がかかってしまって、すみません」

と言うと

「急いでいませんから、大丈夫です」

と言ってくれた。

異国での親切が心に沁みる。

ミラノなら、なんとか暮らしていけそうな気がした。

#海外旅行 #イタリア #世界一周